今回は、前回の続編になりますので、前回の「保険の見直し・加入時に考えるべきこと―その壱―」をまだ読んでない方は、そちらを先に読んでいただけると、より理解していただけると思います。

前回の記事のおさらい

自分の保険を知る
保険は、ご家庭の将来設計に沿った目的でかける
この2つについて、前回、ご紹介させていただきました。
保険に新しく加入・追加する場合は、この2つの作業を先にすることで、自分に足りない保障や、目的に合った保障なのかを知ることができます。

今回は、次のステップの保障の組み立て方を、ご紹介させていただきます。

〇保障の優先順位

私は生命保険の役割は、大きく分けて3つあると考えます。
死亡(葬式代、遺族の生活費、子供の養育費など)
医療(入院・手術・がん・介護・三大疾病など)
貯蓄(老後の生活資金・子供の大学費用など)
この3つの優先順位は、家庭環境や、生活環境によって順位が変わってきます。

例えば、小さいお子さんがいる父親の、保障を考えた時、3つの中で優先順位をつけるとすると、一般的にはどういった順番になるでしょうか?
おそらくは、1位:死亡・2位:医療・3位:貯蓄の順番になると思います。
もし万一があったらと考えると、残された家族の生活や、子供の教育費の為に、死亡保障の優先順位が1位になるのではと考えます。

では、独身の方ならどうでしょうか?
子供も、奥さんもいないのであれば、家族に迷惑が掛からないように、お葬式代さえ、準備できていればいいのかなと思います。
そう考えると、死亡保障の優先順位は、3位となるのではないでしょうか。
入院やがんといった、病気やケガによる収入減少を、少しでもカバーするため、医療保障の優先順位が、死亡保障よりも高くなります。
このように、生命保険は将来設計の目的に沿って、優先順位を考えながら組み立てていくことが大切です。
優先順位ランキング

〇保険商品を選ぶ

保障の優先順位を決めたら、次は保険を選んでいきましょう。
しかし、この保険選びが非常に大変です。
自分ひとりで保険商品を選ぶのは、決して簡単な作業ではありません。
保険商品が多いということもそうですが、何より表にでてこない潜在ニーズに沿った商品を、自分だけで見つけることは難しいと思います。

仮に、医療保険の商品を選ぶとしましょう。
医療保険の保障内容が一緒だとすると、少しでも保険料が安いものがいいと思いませんか?
例えば、A社とB社で医療保障の内容を日額5,000円に揃えて、保険料を算出します。

30歳 男性 保障期間:一生涯 保険料払込期間60歳(30年間)
A社(医療保険) 保険料・・・2,917円
B社(医療保険) 保険料・・・6,704円

合計保険料
A社 2,917円/月×12か月×30年=約105万円
B社 6,704円/月×12か月×30年=約241万円
A社とB社の医療保険の保障内容が、ほとんど変わらないのであれば確実にA社を選びますよね。

ですが、B社では一生涯の死亡保障として250万円が付いてきます、と聞いたらどうでしょうか?

自分は受け取れませんが、万一があった時、遺族に250万円給付されます。
家族としての収支は、
250万円-241万円=+9万円
となります。
お葬式代として考えても、支払った保険料以上に遺族に返ってきます。
ということは、医療保険に関しては、結果的に保険料が無料だった、ということになります。

A社・B社、どちらが良くて、どちらかが悪いとかではありません。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分や家族の目的に沿った商品選びが大事なのです。

このように、安い保険だけを探していたら、気づかない商品もあるので、保険を選ぶ時は、プロのファイナンシャルプランナーと、しっかり話し合いながら決めていくことをお勧めします。

〇保険料

保険料は毎月支払うので、日常生活に無理のない保険料に抑えることは大事です。
しかし、保険料や保障内容ばかりに気を付けて、最も大事な将来設計に沿った目的といった所を、ないがしろにしてしまうと、保障が本当に必要になった時、保障がないという状況になるかもしれません。
例えば、保険料が安いという理由のみで、医療保険に加入したとします。
その医療保険が60歳で、保障がなくなってしまったらどうでしょうか?
生命保険は、保障内容・保障期間・払込期間・保険料と総合的に考える必要があります。
最終的に、保険料につまずくようでしたら、もう一度、保障内容を見直して、保障内容を下げたり、払込期間(終身保険の終身払いに潜む罠!! 参照)を延ばしたりして、保険料を調整してみてはどうでしょうか。

今回の記事で読んでいただいたように、家族や自分の保険を選ぶことは、決して簡単な作業ではありません。
そして、家や車のように保険は大変高額な買い物です。
生命保険は高い買い物です
保険期間、保障内容、保険料、そして将来の保障がどうなるのかをしっかり、保険のプロと、何回も話し合って決めていくからこそ、納得のいく保険になるのではないでしょうか?


 

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