自動車保険には、保険料を決める要素に、車両料率クラスや補償の範囲、内容など様々あります。
そのひとつに「ノンフリート等級別料率制度」があります。

 

等級には1等級~20等級まであり、数字が大きいほど割引率が大きくなります。
初めて自動車保険を組む場合は、基本、6等級からになります。
(条件によっては7等級から始めることもできます)

 

保険期間が1年間の自動車保険の場合、保険開始から事故などで保険を使わなかったら、1年ごとに1等級ずつ等級が上がっていきます。
逆に事故などで保険を使ってしまうと、1事故につき、翌年の等級が3等級下がり、事故有係数が3年適用されます。

 

例えば、13等級の人が事故で自動車保険を使ったとします。
この場合、1年後の更新時には、10等級、事故有係数3年になります。

事故有係数適用期間の制度は、2013年に導入されました。導入前は保険を使っても、使わなくても同じ等級であれば、割引率は一緒でしたが、導入理由は不公平性を失くす為という、よくわからない理由です。
実際はただ、保険料を高くしたいだけの様に感じてしまいます。

事故有係数が適用されている期間は、事故有係数が適用されてない同じ等級に比べて、保険料が高くなります。
例えば、10等級でも事故有係数が有りと無しとでは、20%も割引率が違うので保険料は大きく変わってきます。

先程、1事故につき3等級下がるとお伝えしましたが、全ての事故で3等級下がる訳ではありません。
自動車保険での事故の考えには「1等級ダウン事故」、「ノーカウント事故」が存在します。

 

○1等級ダウン事故
火災や爆発、落書き、いたずら、飛来・落下物、台風・竜巻・洪水、騒じょう、盗難、その他偶然により生じた損害による車両事故については、1等級ダウン事故として扱います。

 

《1等級ダウン事故例》
いたずら・・・10円や釘による線上のひっかきキズなど
飛来・落下物・・・飛び石など
騒じょう・・・デモ隊などによる投石など

 

○ノーカウント事故
自動車保険に付加してある特約の中には、人身傷害保険や個人賠償特約、レンタカー費用など、自動車保険を使っても「ノーカウント事故」となるものもあります。

 

《保険会社を変えたらどうなる?》
自動車保険の等級は、保険会社を変えても引き継がれます。
しかし、保険会社を変える場合、変えた時点から起算して1年経たないと等級は、上がりません。

 

例えば、15等級になって半年後に他の保険会社に変えると、その時点から1年後に16等級になります。
結果、15等級から16等級になるには、1年6か月後になってしまうので、切り替えるタイミングはしっかり考えましょう。

 

事故をして自動車保険を使った後に、保険会社を変えた場合、1年の更新を待たずに、更新後の等級が下がった状態で保険が始まります。

 

保険会社を変える事は、タイミングさえ考えて実施すれば、簡単にできます。
ですが、私が聞いた話しの中には、元の保険会社や代理店の不手際で、引継ぎがうまくいかず、時間が掛かった事例などを、聞いた事があります。
このような事がないように、ファイナンシャルプランナーや損保トータルコンサルタントといったプロと事前に、しっかりと準備したうえで行動することをお勧めします。

 

《家族間での等級引継ぎ》
よく子供に親が等級を譲ったという話しを聞いたことがありませんか?
実は、条件とタイミングを合わせると家族間の等級引継ぎが可能です。

 

・等級が引き継げるのは、被保険者(主に運転する人)と同居の親族
・増車・減車、このタイミングでしか引継ぎできない

 

このように等級の引継ぎは、いつでも、誰にでもできるわけではありません。

 

なぜ、家族間での等級引継ぎがいいとされているかというと「等級」と「年齢条件」が関係してきます。

「等級」は数字が大きければ、保険料が安くなるので、両親の等級が、自動車保険のスタートである6等級より良ければ、その分、安くなります。

「年齢条件」は、その車に乗る最若年の人が何歳なのかで、いくつか区分けされていて「全年齢補償」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」、「35歳以上補償」で分けられています。
保険料は、どの人でも乗れる「全年齢補償」が最も高く、「35歳以上補償」が最も安くなります。

家族間で「等級」を引き継いで、年齢条件を調整することで、保険料を合理的に安く抑えることができます。

 

例:父親 50歳 20等級   息子 20歳  7等級(初めての自動車保険の為)

 

息子さんが、初めて自動車保険を始める場合、7等級の「全年齢補償」で始めなければなりません。
しかし、父親の20等級を引き継ぐ事で、20等級の「全年齢補償」で始める事ができます。
父親は20等級から7等級に下がりはしますが「35歳以上補償」の年齢条件の割引がありますので、驚くほど保険料が上がることはないと思われます。

 

先程、記述しましたが、家族間での等級引継ぎは、いくつかルールがあります。
そのルールの中で引継がせる相手には、注意が必要です。

 

○等級が引き継げるのは、被保険者(主に運転する人)と同居の親族

 

注意が必要なのは、この同居という部分です。文字通り同居が必要になります。
例えば、22歳の息子さんが社会人になった為、一人暮らしを始め、車を買ったとしましょう。
この場合、両親から等級を引継ぎたいと思っても、実家を出てしまっているので、同居の枠から外れてしまっています。

 

自動車保険は、車に乗っている間は、万が一の事を考えて、加入し続ける方がほとんどです。
個人で情報を調べて保険会社を変えたり、等級の引継ぎ制度を使うのは、極めて難しいと思います。
長い間、加入し続けるからこそ、ファイナンシャルプランナーや損保トータルコンサルタント相談することが、大事かと思います。

 


 

三重県四日市市にある、アニマート株式会社では、保険の無料相談や見直しをお客様の目線に立ってする考え、提案する保険代理店です。
個人のお客さま、法人の経営者さま、保険のご相談なら、アニマート株式会社までご相談ください。

お問い合わせは、こちらから。