前回の「資産運用の重要なポイント!!―前編―」では、お金を使う目的に合わせた金融商品で運用すること、老後の生活費についてご紹介しました。
後編では、資産運用におけるリスク軽減や、具体的な資産運用の商品についてご紹介していきます。

〇資産運用におけるリスク軽減

資産運用におけるリスクとは、投資する株式の価格が変動する「価格変動リスク」や、債権の金利が変動することで、債権の市場での取引価格が変動する「金利変動リスク」、外貨建ての株式や債券に投資する場合の為替相場の動きによる「為替変動リスク」などがあり、いずれも「値動き」のリスクとなります。
資産運用をするうえでは、リスクを避けることは出来ませんが、リスクを軽減することはできます。
それが、「分散投資」「積立投資」「長期投資」です。
リスクを軽減することは、ご自身の資産を守るうえで非常に大事な要素になりますので、これを機に是非知っていただければと思います。

【分散投資】

分散投資とは、複数の商品に資産を投資することです。
例えば、1種類の投資商品に資産を集中させてしまうと、値上がりした時は、大きな利益を得ることができますが、反対に値下がりした時にリスクが大きくなってしまうため、運用リスクをできるだけ、分散させるために多種類に資産を分散して投資することで損害を少なくするということです。
資産の分散には、主に①地域分散②商品分散③時間分散があります。

① 地域分散
地域分散とは、複数の国や地域、通貨に分散して資産を投資することです。
1つの国や地域のみに集中して投資を行っていた場合、災害や紛争、景気悪化などによって金融市場が変動すると、大きな損失を受けてしまう恐れがあります。
地域を分散することで、一つの地域の経済が悪化しても、資産全体の損失を少なくすることができます。
また、通貨を数種類組み合わせた投資方法もあります。
円、米ドル、豪ドル、ユーロなど、複数の海外の通貨に投資することで、価格変動、為替変動を小さくできます。

通貨分散・ファイナンシャルプランナー

② 商品分散
商品分散とは、種類の異なる商品を複数組み合わせて投資することです。
異なる値動きをする商品を組み合わせて、価格変動を小さくすることが、商品分散の目的となります。
例えば、景気に左右されやすい投資信託などの商品と、景気の影響を受けにくい業界の株式などの商品を組み合わせることで、投資における大幅な価格変動リスクを低減できます。

③ 時間分散
時間分散とは、商品を複数回に分けて購入、売却をすることです。
持っている資金で一度に購入するのではなく、時期を分けて少しずつ購入していくことで、価格変動リスクを平均化することができます。
時間分散を用いた投資方法として主なものが「積立投資」です。

【積立投資】

積立投資には「ドル・コスト平均法」といわれるものがあります。
ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品を、常に一定の額で購入し続けることで、日々の価格変動リスクを平準化する方法です。
投資のタイミングや期間を分散することでリスクを低減します。

【長期投資】

長期間運用を続けると、運用期間中に得られる利子や、分配金を元本に上乗せする(再投資する)ことができ、利息が利息を生んで膨らむ「複利効果」が期待できます。
また、短期運用では運用期間が短い為、運用益にばらつきがでてしまい、ハイリスク・ハイリターンといったギャンブルに近い形になってしまいますが、20年、30年と長期運用をすることで、運用益が平均化され短期間と比べると安定した運用が期待できます。

〇資産運用商品

資産運用商品の種類は多くありますが、今回は「iDeCo」・「つみたてNISA」・「変額保険」の3つをご紹介します。

【iDeCo】

iDeCoとは、個人型確定拠出年金といわれるもので、任意で加入することができ、自分で掛金を拠出して、あらかじめ用意されている金融商品から自分で選んで運用することで、60歳以降に受け取ることができる、私的年金制度です。
メリットとして、3つの税制優遇措置があります。

・掛金が全額所得控除の対象となるので所得税・住民税が軽減される
・運用益や配当・分配金にかかる税金が非課税になる
・受取時に年金で受け取る場合は公的年金控除、一時金の場合は退職所得控除が適用される。

また、デメリットとしては、原則として60歳までは引き出せないということです。
その為、いざ資金が必要となった時に、60歳まではiDeCoで運用しているお金を頼りにすることができませんので、無理のない掛金で始めましょう。
iDeCo・ファイナンシャルプランナー

【つみたてNISA】

つみたてNISAでは、毎年40万円までは積立投資ができ、最大20年間は運用益に税金がかかりません。
運用先は、金融庁の審査を通過した、投資信託を選ぶことができます。
また、iDeCoとは違い所得控除の対象になりません。
私の周りでも、つみたてNISAをしている人がいますが、その方達に話しを聞いてみて思ったことがあります。
それは、多くの方が、つみたてNISAは必ず増えるもんだと思っていることです。
つみたてNISAは、運用結果次第では、もちろんマイナスになる可能性があります。その場合、非課税効果はありません。
運用益に対して税金がかからないのがNISAなので、運用益がプラスにはたらいた時のみNISAとしての恩恵があります。
例えば、銀行や証券会社で「つみたてNISA」という名前ではなく、株式投資や投資信託を勧められても、投資の知識を身につけてから始めようと思いませんか?
もちろん、つみたてNISAの20年間の非課税期間は大きな魅力ですが、積立投資には変わりないので、株式投資や投資信託と何ら変わらないことは知っておきましょう。
つみたてNISA・保険相談

【変額保険】

変額保険とは、生命保険商品のひとつで、契約時に定めた保険金を最低保証してくれますが、保険会社の運用実績によって、保険金・解約返戻金・満期保険金が増減する保険です。
変額保険のメリットは、死亡保障を持ちながら、将来の資産運用をすることができるということです。
国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などを組み合わせて運用することができますので、イメージとしては投資信託に近いといえます。
資産運用商品を3つ紹介しましたが、いずれも運用結果次第では元本割れしてしまいますが、老後に向けて何かしらの準備をしていきましょう。
変額保険・保険見直し

〇まとめ

資産運用における重要なポイントを、前編・後編に分けてご紹介してきました。
低金利時代といわれている現在の日本では、お金を銀行に預けていても「増やす」ことが難しいのが現状です。
しかし、資産運用したいと思って、何も考えずに始めるのも間違いだと、私は思います。
例えば年齢層の若い方が、資産運用の手段として「iDeCo」を選択してしまうと、60歳になるまでの、何十年間もの間、預けた資金を使うことができなくなります。
他にも、無保険の独身男性の方が、「iDeCo」や「つみたてNISA」をしたとしましょう。
結婚後に子供も生まれ、いざ保険に加入しようと思っても、「iDeCo」や「つみたてNISA」をしていた為に、お金が捻出できなかったらどうでしょうか?
自身に万一があった時に、残された家族を守ることができなくなってしまいます。
これから老後をむかえる方にとって、資産運用は素晴らしい手段ですが、ご自身のライフプランに沿った商品を考えることは、非常に大事なポイントになると思います。
ご自身や、家族だけで商品を決めてしまう前に、ファイナンシャルプランナーと一緒に考えてみてはどうでしょうか?


 

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