皆さんは、生命保険に貯蓄ができる商品があることはご存じでしょうか?
せっかく保険料を毎月払っているのなら、その保険料が貯蓄も兼ねていたら嬉しくないですか?
生命保険の形には、定期保険・終身保険・養老保険などの種類がありますが、貯蓄を兼ねて掛ける保険は大きく分けて、死亡保険の終身保険と養老保険とがあります。
終身保険の場合、保険解約時に解約返戻金として、養老保険の場合、満期保険金として、死亡保障をかけながら、保険会社が運用したお金を受け取ることができます。
長期間、保険をかけることで、老後に受け取る金額が、それまでに支払った金額を上回ることも多々あります。
終身保険・養老保険どちらも、支払った保険料の一部を運用するのですが、運用する保険料を入れる場所が2つにわかれます。
その2つは「一般勘定」「特別勘定」といわれるものです。
「一般勘定」のみで運用されるのが定額保険で、「特別勘定」・「一般勘定」両方で運用されるのが変額保険といわれるものです。
つまり、保険の形として終身保険や、養老保険があり、さらに運用の仕方で定額保険と変額保険に分かれるといった感じですね。
定額保険・変額保険の違いをしっかりと理解することで、将来の目的に沿った保険選びをすることができると思います。
〇定額保険
定額保険とは、保険期間中の保険金や、解約返戻金・満期保険金が契約時に保険会社が約束してくれる保険です。
保険会社は、保険料の一部を運用していますが、定額保険では、保険会社が行う運用結果が悪かったとしても、契約時に約束した保険金・解約返戻金・満期保険金を下回ることはありません。
また、定額保険では、保険料の一部を一般勘定で運用しています。
一般勘定は、主に国債などで運用しており、保険契約時に約束した、予定利率(保険会社が約束する運用利回り)が保障されます。
〇変額保険
変額保険とは、契約時に定めた保険金を、最低保証してくれますが、保険会社の運用実績によって、保険金・解約返戻金・満期保険金が増減します。
また、変額保険では、保険料の一部を一般勘定と特別勘定で運用しています。
特別勘定では、株式や債券に投資をして運用しており、運用実績によって将来受け取る満期保険金や、解約返戻金の金額が増減します。(保険料払込期間中は、契約時に設定した死亡保険金が保障されます。)
国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などを組み合わせて運用することができるので、イメージは投資信託に近いといえます。
契約者から預かった保険料の一部を「一般勘定」・「特別勘定」とに分けて運用を行いますが、保険商品によって、どちらの勘定に入るかは異なります。
また、一般勘定と違うのは運用実績の責任は、契約者にあるということです。
上記を読んでいただくと、変額保険は定額保険より、リスクがあるように感じてしまいますが、決してそうとはいえません。
生命保険は、一般的に長期間加入していく商品です。
例えば、30歳の男性が、死亡保険金500万円の終身保険に加入し、80歳まで生きたとします。
今の500万円の価値と、50年後の80歳時点での500万円の価値は、一緒でしょうか?
過去をみてみると昭和40年(55年前)の1万円は、現在では2.1万円の価値になります。
このように物価が上昇し、お金の価値が下がる現象をインフレーションといいます。
今、日本では年2%の物価上昇率を目指していますので、50年後のお金の価値が、現在と一緒とは考えにくいです。
変額保険であれば、これから先のインフレーションにも、その時代の株式や債券で運用させることで対応することができます。
変額保険、定額保険どっちかがいいと言っているわけではなく、保険を考える時は、バランスが最も大事ということは忘れないでください。
〇生命保険としての役割
定額保険と変額保険の運用の違いを今までご説明してきましたが、生命保険における保障という役割もあります。
保険を考える時に必要なのが、必要保障額です。(死亡保障の必要保障額 参照)
仮に必要保障額の計算結果が、5,000万円だったとします。
保険は、将来の目的に合わせて組合わせることで、大きく保険料が変わってきます。
将来の資産形成も視野に入れて、変額保険を組込んだり、安定的な運用で、決まった解約返戻金を受取るために、終身保険の部分を厚くしたりすることで、掛捨てである定期保険を薄くするといったように、ご自身の家庭環境にあった保険作りが可能で、しっかりと死亡保障をかけながら、老後の準備をすることができます。
〇資産形成
将来のために、お金を貯めたいと思ったら、皆さんはどういった方法で貯めるでしょうか?
多くの方は、「銀行などで貯金する」と答えると思います。
もちろん、すぐに引き出すことが可能な、銀行での貯金は、していく必要がありますが、貯金の一部を保険に掛けることで次のメリットがあります。
仮に30歳男性が資産形成として銀行(年利0.02%)に、毎月20,000円の貯蓄をした場合、65歳時には、総額840万円支払い、金利で増えて842万円になります。
現在の低金利時代では、銀行に預け続けても、たったの2万円ほどしか増えません。
また、途中で万一があっても貯金分しか遺族には残すことができません。
では、A社で定額保険の終身保険を計算してみると
30歳男性 65歳払込み終了
死亡保険金1,070万円
月保険料20,052円 総払込保険料8,421,840円
保険料払込終了時点での解約返戻金9,451,524円(112.2%)
65歳まで毎月、20,052円を振込むことが前提ですが、65歳時に9,451,524円を受取ることができ、万一があっても、1,070万円を遺族に残すことができます。
では変額保険だと、どうでしょうか。B社にて変額保険(有期型)を計算してみると
30歳男性 65歳払込み終了
死亡保険金1,102万円
月保険料20,000円 総払込保険料8,400,000円
保険料払込終了時点での満期保険金
平均年利3% 1,102万円(131.1%)
平均年利6% 2,110万円(251.2%)
変額保険の場合は、運用結果によって将来受け取る金額が変わりますので、定額保険よりも高い解約返戻金や、満期保険金を受け取る可能性があります。
実際にB社では、紹介した変額保険商品は発売以降の平均年利が、6%を超えるポートフォリオ(運用先の組み合わせ)もあります。
そして、万一があっても運用結果に関わらず、保険期間内は1,102万円の死亡保険金が約束されています。
過去の記事でも紹介しましたが、銀行などで貯蓄した場合と保険で貯蓄した場合の大きな違いは、万一があった時です。
銀行などの貯蓄では貯蓄分しか遺族に残すことができませんが、保険だと大きな死亡保障金が遺族に支払われます。
どちらも、貯蓄ができますが、上記の理由から貯蓄は三角、保険は四角とよく言われています。(貯蓄は三角、保険は四角 参照)
公的年金さえあれば、ゆとりある老後生活ができたのは、もう昔の話で、退職金の減少や、公的年金の受給年齢引き下げなど、今後の将来の不安要素は多くあります。
必要保障額や保険商品内容など、理解が難しい話しは多いと思います。
ですが、保険のプロやファイナンシャルプランナーと一緒に考えることで、現在のご自身の保険内容を知ったり、保障の不足分の追加や資産形成の相談をして、将来の不安を少しでも払拭してみてはどうでしょうか。
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