生命保険では、保険料の負担者（契約者）、保険対象になる人（被保険者）と保険金の受取人（受取人）を誰に指定するかで、税金の種類が異なります。
税金の種類としては、所得税・相続税・贈与税の3つに分けることができます。
今回は、生命保険と相続税をテーマにご紹介します。

〇相続税

相続税とは、財産を相続した人にかかる税金です。
亡くなった人が持っていた財産から、非課税のもの、債務・葬式費用等を差し引いたものに対して相続税がかかりますが、基礎控除があります。

となります。
相続税は基礎控除額を上回った場合に発生します。
今回の例えのような相続人が３人といった家庭でも4,800万円という大きい基礎控除があります。
相続税が発生する可能性のある方は、相続税対策を考えてみてはどうでしょうか？
相続税対策のひとつとして、生命保険の活用は有効手段のひとつです。

〇生命保険と税の関係性

相続税対策で生命保険を検討する前に、保険金の受取人について気を付けなければなりません。
生命保険に加入して、保険金を受け取る際の税金の種類は3つに分けることができ、相続税となるのは契約者と被保険者が同一の場合に限られます。
例えば、夫婦と子一人といったような家庭だと、契約者・被保険者・受取人と税金の関係性は

となります。
相続税対策として保険に加入する場合は、税率が一番低い相続税になるように、契約者・被保険者・受取人の関係をしっかり確認しておきましょう。

〇生命保険を活用するメリット

では、相続税対策として生命保険を検討した際のメリットを紹介していきます。

などがあげられます。

〇生命保険の非課税枠

生命保険では「残された遺族の生活保障」を目的とした、死亡保障をかける方も多いと思います。
生命保険で死亡保険金を受け取った場合、相続税の基礎控除とは「別枠」で「生命保険非課税枠」が設けられています。
生命保険非課税枠が適用されると

の税控除を受けることができます。
例えば、

となります。
基礎控除額も合算することが可能なので、（基礎控除4,800万円＋生命保険非課税額1,500万円＝6,300万円）6,300万円を全体の相続額から差し引くことができます。
資産がある方は、生命保険に保険料を支払うことで資産を目減りさせて、相続額を減らすことができ、死亡保険金を受け取った方も基礎控除とは別に生命保険非課税枠を受けることができます。

〇死亡保険金が受取人固有の財産になる

通常、財産を相続する場合、遺言書がないと遺産分割協議を行う必要があります。生命保険の場合、死亡保険金を受取人が受取る事で、受取人の固有財産にすることができます。
死亡保険金は固有財産の扱いとなるので、遺留分の対象に含まれません。

例えば、土地・建物を相続する場合でも相続税を現金で納めないといけません。
事前に生命保険で死亡保険金を準備してあげていれば、相続税を問題なく支払うことができるかもしれません。

遺したい人に確実にお金を残すことができます。

〇まとめ

生命保険と税金は切っても切り離すことができない関係です。
大きな資産をお持ちの方は、生命保険に加入して生命保険非課税枠を活用することを検討されてはどうでしょうか？
また、相続争いを避けたい・誰かにお金をしっかり残してあげたいといった思いがある方は、死亡保険金の受取人を指定して死亡保険金を残してあげましょう。
大きな資産のある方・相続争いの懸念がある方は、「相続」が「争続」とならないように、しっかり考えて終活をしなくてはいけません。
終活を夫婦や一人で悩むのではなく一度、プロのファイナンシャルプランナーに相談してみてはどうでしょうか？

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