皆さん、遺族年金って知っていますか?
名前ぐらいは聞いたことあるって方は、いらっしゃるかと思います。
ですが、制度の詳細まで知っている方は少ないのではないでしょうか?

〇2種類の遺族年金

遺族年金とは、国の社会制度のひとつで、家族を養っていた人が亡くなった時に残された家族に支給されます。
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、どの遺族年金がもらえるかは、亡くなった方が加入していた年金の種類によって違います。
年金事務所・ファイナンシャルプランナー
・亡くなった方が自営業など国民年金のみの場合
( 遺族基礎年金 )
・亡くなった方が会社員など厚生年金に加入している場合
( 遺族基礎年金 + 遺族厚生年金 )
それぞれの遺族年金は、年金がもらえる人の要件や年金額が違います。

〇遺族基礎年金

遺族基礎年金は、亡くなった方の家族構成によって支給されるかどうかが決まります。

《遺族基礎年金の被保険者要件》

遺族基礎年金は
・亡くなった方が老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上
・国民年金の保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上
などの一定要件を満たす必要があります。(日本年金機構 遺族基礎年金 参照

また、保険料の滞納があった場合、支給されないこともありますので注意が必要です。

《遺族基礎年金の支給対象者》

・亡くなった方によって生計を維持されていた子供のいる妻
・亡くなった方によって生計を維持されていた子供

遺族の生活費・保険相談
遺族基礎年金の支給対象者で重要になってくるのが「子供」です。
遺族年金における、「子供」とは高校卒業に相当する年齢まで(18歳になってから迎える次の3月末まで)、もしくは障害等級1級・2級の場合に年齢が20歳になるまでが対象となります。
なので、子供が高校を卒業する年齢を過ぎれば、遺族基礎年金は支給されません。
なお、生計の維持をしていている妻が亡くなった時は、支給対象の子供のいる夫(主夫など)にも遺族基礎年金が支給されます。
また、これらの年齢に到達していなくても結婚すれば対象から外れます。
このように、子供がいる遺族が対象になってきますので、子供のいない配偶者には遺族基礎年金は支給されません。
また、残された遺族が妻だった場合に限られますが、国民年金に加入している夫が亡くなると、妻が60歳から65歳までの間、寡婦年金が支給されます。

・寡婦年金
寡婦年金とは、国民年金の保険料納付期間(保険料免除期間含む)が10年以上ある夫が亡くなった時、夫との婚姻関係が10年以上かつ、夫に生計維持されていた場合に妻が60歳から65歳まで、老齢基礎年金額の4分の3の額が支給されます。

《遺族基礎年金の支給額》
遺族基礎年金の支給額は、対象の子供の人数に応じて加算されます。

・遺族基礎年金の支給額(年額)=780,900円+子供の加算
1人目・2人目:それぞれ224,700円
3人目以降:1人あたり74,900円

残された遺族が子供1人で、遺族基礎年金の支給対象だった場合
780,900円+224,700円(子供1人目の加算)=1,005,600円(年額)
となります。

・配偶者が亡くなっていた場合
遺族基礎年金は、両親が亡くなっている場合、子供に支給されます。

〇遺族厚生年金

遺族厚生年金は、亡くなった方がサラリーマンや公務員のような厚生年金に加入している場合に支給されます。
遺族基礎年金とは違い、家族構成ではなく、厚生年金の加入期間と収入によって支給額がかわります。

《遺族厚生年金の被保険者要件》

遺族厚生年金は
厚生年金に1日でも加入している方、ただし国民年金保険料納付期間(保険料免除期間含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。
・亡くなった方が老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上であること。
・障害等級1級・2級の障害厚生年金を受けられる人

などの一定の要件を満たす必要があります。(日本年金機構 遺族厚生年金 参照

《遺族厚生年金の支給対象者》

遺族厚生年金の支給対象者は、遺族基礎年金と比べると幅広くなっています。
遺族基礎年金の場合は、残された遺族が支給対象の子供のいる配偶者または子供に支給されるのに対して、遺族厚生年金は年齢などの条件はあるものの、残された遺族が妻、夫、子供に加え、父母・孫・祖父母まで範囲が広くなります。

ただし、子のいない30歳未満の妻だと支給期間は5年間です。
遺族基礎年金と大きく違う点は、子供のいない配偶者も支給対象に入ること、そして一生涯受け取ることが可能です。

《遺族厚生年金の支給額》
遺族厚生年金の支給額は、亡くなった方が厚生年金に加入していた期間や収入から計算します。
計算式は2つあり、金額が高い方が支給額となり、亡くなる前の厚生年金の加入期間や年収によって違ってきますが、年収の約10%前後と考えていいかと思います。
支給額の計算は複雑なものとなっていますので詳しくは(日本年金機構 遺族厚生年金)を参照してください。
また、残された遺族が妻に限られますが、一定の要件を満たす人には、中高齢寡婦加算が支給されます。

・中高齢寡婦加算
夫が亡くなった時、妻が40歳以上65歳未満で遺族年金の対象である子供がいなかった場合、遺族厚生年金に年額585,100円(遺族基礎年金の約3/4相当)が加算されます。
中高齢寡婦加算は妻が65歳まで支給され、65歳からは自身の老齢年金がもらえるようになります。

〇まとめ

遺族年金についてご紹介してきましたが、支給対象や支給要件など一定の条件はあるものの、遺族の生活費援助としては十分に活用できる制度になります。
では、遺族年金だけで生活できるのではないでしょうか?
18歳未満の子供がいるご家庭で、サラリーマンの父が亡くなった場合の遺族年は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」が残された遺族に支給されます。
一般的な年収の家庭だと、2つの遺族年金を合算しても年額200万円にもならないでしょう。
つまり、遺族年金だけでは遺族が生活していくのは難しいということです
遺族の生活・保険見直し
その不足分を補う方法として生命保険を活用してみてはどうでしょうか。
生命保険では、必要保障額を目安に死亡保障額を考えます。
この必要保障額は
将来にわたる「支出」―将来にわたる「収入」―「金融資産額」
で算出します。
遺族年金は、将来にわたる「収入」として計算に含みますので、生命保険の必要保障額を考えるうえで重要なポイントになります。(死亡保障の必要保障額 参照
必要保障額の計算で、遺族年金を含むか含まないかで大きく結果が違ってきます。
しっかりと必要保障額を算出することで、これから生命保険を検討される方は必要保障額を目安にすることで無駄のない保障選びができます。
すでに生命保険に加入している方は、現在の死亡保障が必要保障額より大きければ死亡保障額を下げることで節約になり、下回っているのならば、改めて保障を直すタイミングにもなるかもしれません。

必要保障額の計算は複雑な計算となりますので、ご自身の遺族年金の詳細も含め、プロのファイナンシャルプランナーに相談することをお勧めします。


 

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