多くの方が必要と考え、加入されている「保険」。
保険には、死亡や病気などに備える生命保険と、車や家などの事故に備える損害保険があります。
そんな保険の起源はいつなのだろうと、興味本位で調べてみると、なんと紀元前の頃にまで遡ります。
今回は、保険の歴史についてご紹介します。

〇保険の原型は紀元前!

保険の起源は諸説ありますが、紀元前2,250年頃のバビロン王ハムラビの時代に隊商(商人の一団)の間にできた取り決めのようです。
その内容は、「盗賊による損害を受けた隊商があった場合には、その損害を隊商全体で負担する」というものです。
盗賊による損害を、隊商全体で負担するという考え方は、加入者全体で、被害者を救済するといった保険の考え方と近いです。

〇ケガの保険は海賊から始まった!

病気やケガの保険の原型は、16世紀にイギリスのエリザベス一世が作ったと言われています。
保険の歴史・ファイナンシャルプランナー
当時、世界最強を誇ったスペインの無敵艦隊が海の覇権を握っていました。
スペインの覇権を崩そうと、エリザベス一世は民間の船に、敵国の船を襲って荷物を奪う、海賊行為をしてもいいと許可を与えました。
また、このような海上での戦いには、危険とケガ、病気がつきものでした。
これに対し、エリザベス一世は「ケガをしたら、お金を支払う」と公言。
公言により一気に敵国を襲う船が増え、スペインの無敵艦隊を打ち破りました。
このケガをした人に対して補償をするといった考えが、今の病気やケガに対しての保障になっていったんですね。

〇生命保険の原型

生命保険の原型は、中世ヨーロッパの職業ごとの同業者組合である「ギルド」で始まったと言われています。
ギルドでは、誰かが生活に困った時や、冠婚葬祭などの時の為に、組合員でお金を積み立て、何かあった時にそのお金を使っていました。
生命保険の原型は、同業者組合ギルドでの助け合いの制度だったのです。
また、17世紀のイギリスでは、教会の牧師たちが組合をつくり、自分たちが何かあった時の香典をだすために、毎月一定金額を集めるという制度ができました。
金銀財宝・保険見直し
しかし、この制度は、全員が同じ金額を支払っていた為、組員に死亡率が高い高齢者が多くなると、お金が払えなくなり、組合が成り立たなくなりました。
この問題を解決したのが、「ハレー彗星」で有名な、天文学者であるエドモンド・ハレーです。
エドモンド・ハレーは人間の寿命を統計化した「生命表」を作成しました。
生命表ができたことにより、死亡率に応じてお金を集める制度ができ、現代の生命保険に近い形になりました。
日本に保険の概念が伝えられたのは、1867年に福沢諭吉によって伝えられました。
日本の保険の歴史も大変興味深くなっていますので、また次回、詳しく紹介したいと思います。

〇まとめ

保険の起源が、紀元前までに遡っていることにはびっくりしました。
当時から、仲間を守ろう、家族を守ろうと、強い思いで様々な制度がつくられていました。
保険は、お互いを助け合う「相互扶助」のもと、長い時間をかけて、今の形になっています。
相互扶助・保険相談
今回は保険の歴史をご紹介しましたが、保険は助け合いの精神なんだと頭の片隅にでも覚えていただけたらと思います。


 

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