皆さんは、保険料払込免除特約ってご存じですか?
この特約は、一定の条件を満たすと保険の効力を残したまま、本来支払う予定の保険料を支払う必要がなくなる(支払い免除になる)という特約です。
保険料払込免除特約は、二種類あります。
一つ目は、交通事故などの不慮の事故によるケガが原因で保険会社の定める、所定の身体障害状態になった場合。
二つ目は、三大疾病になった時に、一定の条件を満たせば保険料が免除になるものです。
身体障害を原因とする保険料払込免除特約は、付帯できる保険には、保険加入時に自動で付帯されているのが基本です。
また、保険料払込免除特約にかかる保険料も無料となっています。
三疾病を原因とする保険料払込免除特約は、保険料が免除となる条件は各社によって違い、付帯することで保険料が高くなります。
今回は、三疾病を原因とする保険料払込免除特約についてご紹介します。

〇保険料払込免除特約

三疾病のような重い病気になってしまうと、仕事に影響してしまい収入が減少したり、仕事を辞める必要がでてくるかもしれません。
保険料払込免除特約は、このように保険料の支払いが困難になるかもしれないといったリスクに対して備える特約です。
ここで、勘違いしやすいのが、三疾病に罹患してしまっても、保険金が受け取れるわけではなく、保険料の支払いが免除になるだけなので、感覚としては「保険にかける保険」と思ってもらえれば分かりやすいかと思います。

〇保険料が免除になる条件

保険料が免除となる条件は、会社によって違います。
昔からある一般的な条件は

悪性新生物(がん) 急性心筋梗塞 脳卒中
適用条件 診断 60日以上の労働制限 60日以上の後遺症

としています。
お医者さんの診察
急性心筋梗塞・脳卒中の場合、60日以上の労働制限・後遺症の状態と医師が診断することが必要なので、適用される条件が厳しいものです。

また、適用条件である急性心筋梗塞は、心臓の病気(心疾患)の内、わずか2.7%しかありません。
ですが、近年では適用条件を緩くしている保険会社もあり、急性心筋梗塞・脳卒中を心疾患・脳血管疾患と範囲を広げたり、保険会社の定める所定の手術を受けることで適用や、上皮内新生物(早期がん)・心疾患・脳血管疾患となり、たった1日でも入院すれば適用されるといった保険会社もあります。
心疾患・脳血管疾患
また、保険料免除になる条件が緩くなると保険料が高くなります。

〇保険料払込免除特約は必要か?

保険料払込免除特約が必要かどうかは、一概にどっちがいいとは言えません。
ですが、私の意見としては基本、保険料払込免除特約を付帯しなくてもいいと思っています。
理由は簡単です。
私が日頃、お客様に提案する生命保険の内容が、保険期間が終身、保険料払込終了年齢を60歳・65歳としているからです。
60歳・65歳で保険料の支払いが終わることを考えると、それまでに三疾病に罹患する方は少ないので、各保険会社の定める保険料払込免除特約の条件を満たす方は少ないと思いますし、支払う総保険料があがってしまい、結果、多くの人は60歳・65歳時に多く保険料を支払っただけとなってしまいます。
医療保険などは、多くの方が保険料支払期間を終身払いにし、月々の保険料を安く抑え、一生涯に渡って保険料を支払う契約をされています。
では、終身払いにした医療保険で、保険料払込免除特約が付帯されているのと、されていないとでは保険料がどれだけ違うか比べてみましょう?

例;【A社 医療保険】
40歳男性 保険期間:終身 保険料払込期間:終身
三大疾病入院無制限
入院日額 5,000円/日(120日型)
通院日額 5,000円/日
先進医療特約 2,000万円

・保険料払込免除特約なし
月額保険料 3,038円/月

・保険料払込免除特約あり
月額保険料 3,966円/月

このように、保険料払込免除特約を付帯することで保険料が約1.3倍も高くなります。
保険料払込免除特約に30%近い保険料が必要となります。
三疾病に罹患しても給付金が受け取れない「保険にかける保険」である保険料払込免除特約に、そこまでの保険料を支払うのはもったいないと感じます。
では、「三疾病になって保険料が払えない状態になったらどうするの?」と思った方もいらっしゃると思います。
保険料払込免除特約ではなく、所定の三疾病に罹患すると100万円や200万円といった、一時金が給付される「三大疾病保障保険」(特定疾病保険)を準備すべきなのです。(「三大疾病と保険」参照
ですが、年齢が高年齢の方や、収入と支出のバランス関係で保険料を下げる為、保険料支払期間が終身になってしまう場合は、生涯に渡って保険料を支払っていくリスクに備えて、保険料払込免除特約を付帯することも考えてもいいかもしれません。

〇まとめ

上記でご説明したように、保険料払込免除特約は、保険料の支払い期間が終身払いの方のように、保険料の支払いにリスクがある方には付帯してもいいと思います。
ですが、忘れてはいけないのは保険料が免除になるだけの保障ということです。
保険料払込免除特約で三疾病のリスクは補えません。
「三大疾病保障保険」のように、所定の三疾病で100万円や200万円といった一時金が給付されることで、治療はもちろん、三疾病が原因で収入が減った時の当面の生活費などを補うことができます。
保険料払込免除特約を付帯されている方も、これから保険を検討される方も一度、プロのファイナンシャルプランナーに相談して、本当に必要な保障が何なのかを考えてみてはどうでしょうか?


 

三重県四日市市にある、アニマート株式会社では、保険の無料相談や見直しをお客様の目線に立って、考え、提案する保険代理店です。
個人のお客さま、法人の経営者さま、保険のご相談なら、アニマート株式会社までご相談ください。

お問い合わせは、こちらから。