現在、日本で売られている生命保険の商品は、数多くありますが、その中にも保障と貯蓄を兼ねた商品があり、貯蓄性のある商品は、日本円か外貨での積み立てとなります。
現在、日本銀行のマイナス金利政策をうけ、円建ての生命保険商品の返戻率が軒並み下がってしまいました。
その中で、改めて注目を集めたのが外貨建て保険です。
「外貨」と聞くと、抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、外貨建て保険のメリット・デメリットを理解することで、より納得できる保険選びができると思います。
今回は、外貨建て・円建てについてご紹介いたします。
〇保険で貯蓄
「保険で貯蓄できるの?」と、よくお客様から質問されます。
貯蓄をすると考えると、多くの方は銀行での貯金をイメージされると思いますが、保険でも貯蓄はできます。
保険で貯蓄をする場合、現在の銀行の金利より、高い金利で運用されるので貯蓄性は銀行での貯金に比べると魅力的です。
しかし、保険での貯蓄の場合は、すぐに引き出すといったことや、一定期間は元本割れしますので、1年後や2年後の為といったような短期間での貯蓄には向いていません。
また、生命保険で貯蓄をすると、貯蓄しつつ生命保険本来の役割である保障も持つことができます。
例えば、保険をかけずに、銀行で貯金のみしている方に万一があった場合、残された遺族に貯金分しか残すことができません。
生命保険の場合は、1カ月でも保険料を払っていれば、保険期間中は大きな死亡保障を残された家族に残すことができます。
このようなことから、保険業界では「貯金は三角、保険は四角」といわれます。(貯蓄は三角 保険は四角 参照)
〇保険の運用
保険は契約者から預かった保険料を、国債を中心とした運用をしています。
例えば、皆さんは「お宝保険」と聞いたことはないでしょうか?
「お宝保険」と言われる理由が、保険料として預けた100万円が10年後には倍になるといった商品が、昔は存在しました。
ここまで早くお金が増える大きな理由として、当時の日本の国債の利率にあります。
昭和50年代の日本の国債は年利7%を超える利率でした。
その後は時間の経過と共に利率は下がり続け、昭和60年代は6%、平成10年には3%、現在では低金利時代と言われ、0.02%となっています。
円建ての保険商品は、日本の国債で運用していますので、昔と違い現在では増えにくくなっているのは、こういった理由になります。
それに対して、外貨建て商品の場合、外国の国債での運用となります。
現在の外国の国債(米国債)は0.9%と日本の国債に比べると、まだ高い水準となりますので、日本国債より外国の国債のほうが貯蓄性が高いといえます。
では、保障に対しての保険料はどうでしょうか?
死亡終身保険を例題として、円建てをA社、外貨建てをB社で算出します。
【A社 円建て 死亡終身保険】
30歳男性 保険期間 終身/保険料払込終了年齢 60歳
死亡保険金 1,000万円
月額保険料 21,640円
総額保険料 7,790,400円 (死亡保障1,000万円に対して77.9%)
【B社 外貨建て 死亡終身保険】
30歳男性 保険期間 終身/保険料払込終了年齢 60歳
死亡保険金 100,000米ドル(1米ドル=100円として1,000万円)
月額保険料 154.00米ドル
総額保険料 55,440米ドル(死亡保障100,000米ドルに対して55.4%)
このように、同じ保障内容でも外貨建て保険のほうが保険料として安く抑えることができます。
円建てと同じ保険料に到達するには、1米ドル=140円以上にならないと同じ保険料にならないのです。(なお、140円まで円安になれば死亡保険金は1,400万円に増える)
1990年以降の為替レートを見ても、1米ドルが140円まで円安に進んだ期間はごく僅かです。
〇外貨建て保険の為替リスク
これまで、外貨建て保険が円建て保険よりも貯蓄性が良く、保険料が安いと、説明してきましたが、外貨建て保険で知っておく必要があるリスクがあります。
それが「為替リスク」です。
外貨建て保険では、契約時に保障内容と保険料が外貨ベースで決まります。
例えば、上記の例題に出したB社の死亡終身保険では、死亡保険金が100,000米ドル、月額保険料が154.00米ドルとなっていました。
為替リスクとは、日々変動する為替によって、受取る保険金や、毎月支払う保険料が変動することを指します。
死亡保険金は万一があった時の為替レートが、1米ドル=120円なら1,200万円、1米ドル=80円なら800万円といったように為替レートに大きく左右されます。
また、保険料も毎月の為替レートによって変動しますが、生命保険という保険料の支払い方を少し考えていただければ、為替リスクへの不安を払拭していただけると思います。
生命保険の保険料は基本、20年・30年と長期間支払っていくものです。
為替レートも長期間でみると1米ドル=120円という円安の時もあれば、1米ドル=80円といった円高の時もあります。
外貨建て保険も20年・30年と保険料を支払うことになりますので、円安の時もあれば円高の時もあります。
つまり、保険料が変動したとしても平均化されるということです。(ここ20年の米ドルの平均レートは1米ドル=106円80銭です)
また、解約時期もある程度、ご自身で見計らうことも可能ですが、1米ドル=80円のような円高時に解約しないように気を付けましょう。
このように、為替リスクをしっかり理解すると決して外貨建て保険は悪い保険ではないことが分かっていただけたかと思います。
〇まとめ
銀行での貯金や投資信託といったものとは違い、生命保険では貯蓄をしながら保障を持つことができます。
円建て保険だけでなく、外貨建て保険にも目を向けていただければ、保険の組み立ての幅がさらに幅広くなります。
また、円建て、外貨建て商品は、今回紹介した死亡保障だけでなく色々な保障内容の商品が増えていますので、一度プロのファイナンシャルプランナーに相談してみてはどうでしょうか?
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